リブゴーシュの「自然派」表示について

自然派のレベル | 説明 | 風味 |
---|---|---|
自然派★ | 減農薬または無農薬でのブドウ栽培を実践している。 | --------------- |
自然派★★ | 自然派★にプラスして 野生酵母で醗酵させている。 |
自然な発酵をさせているため、まれに独特の発酵臭(お漬物や硫黄の香り)がする場合があります。 |
自然派★★★ | 自然派★★にプラスして 醸造時に酸化防止剤(二酸化イオウなど)を使用していない |
自然な発酵をさせているため、まれに独特の発酵臭(お漬物や硫黄の香り)がする場合があります。 |
自然派★★★★ | 自然派★★★にプラスして 瓶詰時にも酸化防止剤(二酸化イオウなど)を使用していない。 すなわち完全不使用 |
自然な発酵をさせているため、まれに独特の発酵臭(お漬物や硫黄の香り)がする場合があります。 |
1.ブドウ栽培に適したすぐれた畑がある
2.そこに適切なブドウ品種が植えられている
3.年間を通じての畑の手入れと収穫および醸造を丹精込めて行う人がいる
1.ブドウ栽培に適したすぐれた畑がある
まさに「テロワール("terroir" フランス語。気候、風土、土壌、そしてそこに生息する動植物という様々な環境要素を含んだ意味でのブドウ畑のこと。英語の"vineyard"は単なるブドウ畑の意。)」のことです。 この「テロワール」こそが最も重要なのです。 たとえば、あなたは今、ある夏の日にフランス・ブルゴーニュ地方の高名なブドウ畑の前にたたずんでいるとしましょう。 ブドウ畑を良く見ると、少し南にふった東向きのゆるやかな斜面になっていることにあなたは気付くはずです。 6月なのに日本より暑く感じたかもしれません。 湿気は少ないが、日差しがやけに強く感じられたかも。 ところが、太陽が傾き始めると(午後9時ごろか)半袖姿のあなたは急に肌寒くなってきたりして…。 こんなありふれてはいますが、毎年少しずつ異なる季節の移り変わりがブドウの成長に微妙な変化をもたらすことは、容易に想像できます。 こうして暑い夏が終わり、収穫の季節が始まります。収穫が終わると、冬の間ブドウ樹は休眠期にはいり、春の訪れを待つのです。 そんなブドウ畑の四季をも含めた畑を取り巻く環境世界の成果がブドウの果実一粒、一粒に凝縮されているわけなのです。
2.そこに適切なブドウ品種が植えられている
その畑(テロワール)に適した品種を植えなければ、健全で美味な果実は得られないという至極当たり前のことです。 1960年代後半アメリカのオレゴン州でたまたまピノ・ノワールが植えられたことで、今日のオレゴン産ピノ・ノワールの隆盛があるのです。 これがもしカベルネ・ソーヴィニョンであったなら、こうはならなかったでしょう。 同様に日本にいおいては、メルローは国際的に比較しても見劣りのしない、素晴らしいワインができつつあります。 しかしながら、カベルネ・ソーヴィニョンでは一部の例外を除いてなかなか困難であるようです。
3.年間を通じての畑の手入れと収穫および醸造を丹精込めて行う人がいる
最後は「人」の問題です。 テロワールを愛し、ワインを愛する人たちが、四季を通じてブドウ樹の世話を愛情を込めて行い、できるだけ自然にまかせたワイン造りをし、そうして出来上がったそのありのままのワインをボトルの中に閉じ込める、ということです。 具体的には、可能な限り農薬(特に除草剤)を使用しない、肥料も化学的に合成された物質は使用せずにブドウを育て、さらに単位面積あたりの収穫量をできるだけ制限するということ。もちろん収穫は機械ではなく人の手で摘み、未熟な果実や腐敗した果実をすべて取り除き(選果といいます)、その健全な果実をやさしく搾汁する。 次に、ワイン造りすなわち醸造の過程では、可能な限り酸化防止剤を使用せず、ブドウの果実に付着している野生の酵母を利用して醗酵を行う(培養酵母を使用しない)。木樽による熟成が完了した後、澱(オリ)下げはせず、ろ過もせず、瓶詰を行うということ。
